今までコンタクトレンズを快適に使ってきた方でも、40歳を過ぎたくらいから手元の見え方が気になってくるはずです。
そんな方たちに早めに使い始めて欲しいのが、遠近両用コンタクトレンズです。
でも今までの遠く用みたいに、どれを使っても見やすくなる訳ではないのが難しいところ。
わたしが今まで数百人に遠近両用コンタクトレンズを処方してきて感じたのが、以下のポイントです。
- 遠くから近くまで100点で見えるわけではない
- 一番メインの使い方を考えておく
- いろいろ試してみる
この記事では、遠近両用コンタクトレンズ選びについて分かりやすく説明していきます。
最後まで読んでいただければ、手元が見えにくくて困っている方もきっとスッキリするはずです。
ー この記事を書いた人 ー

ゆずあん
(通信販売コンタクトレンズ情報 運営者)
PROFILE
・コンタクトレンズショップに勤務
・コンタクトレンズの情報や購入方法を紹介
・わたし自身もコンタクトレンズを使用中
・自称 コンタクトレンズプロフェッショナル
手元が見えにくくなった理由
実は手元が見えにくいと相談される方を検査すると、3パターンあることが分かりました。
パターン①:老眼の進行
一般的な老化現象によって、手元が見えにくくなった場合です。
遠くの見え方が両目で1.0よりちょっと弱いくらいなのに、スマホや腕時計の文字が見えにくいと感じます。
遠近両用コンタクトレンズを使うことで、多くの場合は快適に過ごせるようになるはずです。
人によって見えにくさの度合いは違いますが、45歳くらいになると多くの方が徐々に感じてきますよ。
パターン②:遠方度数が強い
コンタクトレンズを使っている方に多いのが、遠くの度数が強すぎるパターンです。
検査していると片目で1.0ずつ見えていたり、両目で1.5もバッチリ見えている方も少なくありません。
遠くが良く見えていいかもしれませんが、反対に手元は見えにくくなりやすいです。
ピントが合う幅(明視域)は、年齢によって徐々に狭くなってきます。
これが、遠くに行ってしまうほど近くが見にくくなっている状態です。
まずは、度数をゆるくして様子をみることをおすすめします。
パターン③:見たい距離が近い
特にスマホが普及してから、近すぎる距離で見ている方が増えてきたように思います。
実際に検査の時、いつも見ているスマホを見てもらうとビックリ。
目から20㎝くらいでスマホで見てるのです。
これだと、いくら遠近両用コンタクトレンズにしても快適に見ることはできません。
まずは、見たい物との距離を40~45㎝にするクセをお願いします。
寝転がってスマホを見ていたりすると、意外と近くなっていることもあるので注意です。
遠近両用コンタクトレンズを試す前の準備
準備①:どこでも100点で見えるわけではない
わたしも検査に入るときに最初に説明するのですが、遠くも近くも100点に見えるようにはなりません。
だって、たった直径14㎜程度のコンタクトレンズにたくさんの度数が入っているのです。
もちろん見やすくなる度数も入っていますが、その部分だけで見ることは不可能。
だから、遠くを見ていても近くの度数が邪魔をしてボヤっと見えることがあります。
これを分かって遠近両用コンタクトを試してもらうだけでも、気持ち的に楽になりますよ。
準備②:使いたいときを考える
コンタクトレンズを毎日使いたい人もいれば、スポーツや釣りのときだけ使いたい人もいます。
実際にどんなときに遠近両用コンタクトを使いたいか、頭の中でイメージしてみましょう。
- デスクワークがメインの仕事
- 家事がメインで買い物で車を使う
- 休みの日にゴルフをする
- 1日中トラックで走っている
- パートでレジ打ちをしている
「こんなときに使いたい!」というのを伝えるだけで、先生もどんな見え方にしたらいいのか分かりやすくなります。
準備③:取り扱っているか確認
眼科によっては、遠近両用コンタクトレンズを取り扱っていないところもあります。
どうしても時間や手間が掛かってしまうため、やりたがらない先生も少なくないみたい…
まずはメニコンやジョンソンエンドジョンソンなど、コンタクトメーカーのサイトから遠近両用レンズ取り扱い店舗を確認してみてください。
無難なのは、いつも使っているコンタクトレンズと同じメーカーで探すといいですよ。
検査当日の持ち物
検査当日に眼科へ持参した方が良い物は、以下のとおりです。
持ち物①:保険証(マイナカード)
眼科診察が必要になるため、保険証(マイナカード)を持参しましょう。
コンタクトレンズを買いに来ただけと言われて、持ってこないお客さんも多いです。
コンタクトレンズを作る際には、先生の診察が必須となります。
忘れないようにカバンや財布に入れてから、家を出ましょう。
持ち物②:コンタクトレンズ・メガネ
いま使っているコンタクトレンズやメガネを持って行きましょう。
コンタクトレンズの見え方を決める際に参考にします。
見え方の調子が良い・悪いも伝えると、先生にも分かりやすくなりますよ。
持ち物③:見えなくて困っている物
楽譜や釣り道具、スケジュール帖、ノートパソコン、時計など、実際に見えにくくて困っているものを持って行くものおすすめ。
見たい物や距離が分かっていた方が、家に帰ってから困ることもないですよ。
最近はスマホが見えにくくて困っている方が多いのです。
どのアプリや文字が見えにくいか、準備しておくといいと思います。
おすすめの遠近両用コンタクトレンズ
実際に店頭で処方をしていて、お客様の反応が良いコンタクトレンズを紹介します。
『ワンデー アキュビュー オアシス MAX マルチフォーカル』(ジョンソンエンドジョンソン)
価格の事は横に置いておいて、皆さんからつけ心地も見え方も◎をもらえたのは『ワンデー アキュビュー オアシス MAX マルチフォーカル』だけです。
遠くから近くまで違和感なく視線移動ができるのが特徴。
もちろん遠方専用の見え方には負けますが、大きな違和感もなく近くが見やすくなる感動を味わってください。
HEVカットが付いているため、スポーツや車の運転、デスクワークなどにも最適。
取り合えず遠近両用コンタクトレンズに快適を求めるなら、一番最初に試して欲しいコンタクトです。
『マイデイ マルチフォーカル』(クーパービジョン)
見え方・つけ心地・価格の3つを高いレベルでクリアしているのが、『マイデイ マルチフォーカル』です。
誰が使っても、見やすく・付けやすい・安心価格のコンタクトレンズ。
説明がしにくいくらい、普通に調子が良いレンズです。
どのコンタクトレンズにしたらいいか迷っているなら、まず試してみてはいかがでしょうか。
『トータル ワン マルチフォーカル』(アルコン)
遠くや近くをよりはっきり見たいなら、『トータル ワン マルチフォーカル』を選んでみましょう。
他のレンズと比べると中間距離が見にくく感じるみたいですが、代わりに遠くや近くにピントが合いやすい設計になっています。
ゴルフや楽器演奏など、見たい物がしっかり決まっている使い方に向いているようです。
つけ心地も「生感覚レンズ」の名前に負けない快適レンズとなっています。
『ワンデー ピュア EDOF(イードフ)』(シード)
他の遠近両用コンタクトにない、自然と見やすいEDOF設計が特徴。
遠くと近くの度数が交互に何度も入っていることで、見え方に違和感を感じにくくなっています。
残念なのが、いまのところシリコーン素材のモデルがないためドライアイ気味の方には乾燥感が出ることがあります。
『2WEEK メニコン プレミオ 遠近両用トーリック』(メニコン)
乱視がある方で遠近両用コンタクトレンズを希望の場合は、『2WEEK メニコン プレミオ 遠近両用トーリック』かハードコンタクトになります。
まだ加入度数は+1.00Dのみなので全員に合わせることは難しいですが、乱視がある方にとっては救世主です。
コンタクトやメガネに乱視が入っている方は、メニコンのレンズ取り扱い検索から調べてみましょう。
レンズ選びの最大ポイント
遠近両用コンタクトレンズを選ぶときに1番大切なことは、いろいろなレンズを試してみることです。
遠近両用は同じ度数でも、レンズによって設計が違います。
そのため、見え方にも差が出てくるのです。
少し付け外しが面倒かもしれませんが、いろいろな遠近両用レンズを試してみると合ったものが見つかるかもしれません。
見え方の感覚は先生や検査員には分からないため、試してみることが大切だと思います。
その中で、一番あなたの希望の見え方に近いものを選ぶといいでしょう。
まとめ
ということで、これが正解!遠近両用コンタクトレンズの選び方を完全攻略について解説しました。
遠近両用コンタクトのレンズ選びは、先生や検査員側からしても難しいです。
より希望の見え方に近付けるためにも、以下の点に気を付けて行きましょう。
- 遠くから近くまで100点で見えるわけではない
- 一番メインの使い方を考えておく
- いろいろ試してみる
遠近両用コンタクトレンズも年々進化しています。
できることなら、一番新しく快適なコンタクトレンズを選ぶと近道になりますよ。
調子が良いレンズが見つかったら、ネット通販を利用することも検討してみてください。
コストを抑えたい方に、簡単で安価に遠近両用コンタクトレンズを購入することができますよ。